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フルメタル・ジャケット

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(2008/09/10)
マシュー・モディーンリー・アーメイ

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人は悪魔にだってなれる。
それは、状況が作り出す。

訓練生達が訓練教官に怒鳴られているシーンから始まる。

この映画、始めの40分強の間、軍事訓練を通してどこにでもいる若者達が、「殺戮兵器」として育て上げられるシーンが続く。卒業後、主人公はベトナム戦争における軍部の報道員となり、報道員の目を通して、戦争の姿が描かれてゆく。

プラトーンのように、敵の猛攻を耐え抜いて生き延びるような、英雄的なシーンも無く、派手なアクションも無い。ヘリの上から非戦闘員に対する殺戮を楽しみ、少女を殺し喜び、死体と記念写真を陽気に撮る。そこにあるのは、麻痺した恐怖心と、堕落した獣の姿。

砲撃と共にバックでかかる陽気な音楽と、兵士達の冗談交じりのセリフにより、戦争の滑稽さと、それにより堕落した若者たちの姿が強調される。

戦争映画といえば、派手な戦闘シーンと友情物語がつきものであるが、さすがキューブリックだけに、ベトナム戦争を描きながらも、それは単なるこの映画のを作り上げる要素の一つに過ぎない。この映画は、単にベトナム戦争の悲劇を描いただけの映画ではない。

人は悪魔にだってなれる。
だが、彼らがそれを望んだわけではない。



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プラトーン

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(2008/10/16)
トム・ベレンジャーウィレム・デフォー

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ベトナム戦争をテーマとした1986年のアカデミー賞作品である。

貧困層の人間が戦争に駆り出される不公平さに憤りを感じた青年が、志願兵としてベトナムに従軍する事になるのだが、その配属先が最前線小隊の「プラトーン」であった。

監督オリバー・ストーンが実体験を元に作り上げたというだけあって、リアリティが高く、戦場での恐怖が物凄く良く伝わってくる。戦争という大義名分のもと戦い、虐殺、略奪、渦巻く狂気の中で薄れてゆく人間性。そのような中で、仲間同士での友情や確執も上手く描かれており、物語に上手く生かされている。待ち伏せを受け、追い詰められる緊迫感。北ベトナム軍の人海戦術による攻撃に、逃げる場所も無く、勝ち目が無くとも戦い続ける泥沼の恐怖。まさに地獄が描かれてゆく。

リアリティのある戦争アクション映画を望むなら、間違いなくこの映画であろう。


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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

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(2009/02/27)
坂井真紀ARATA

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おそらく、当時学生運動に関わった人達は、見たいとも思わないであろう。
若者は、目をそらさずに、この映画を見なくてはならない。
(まあ、興味があれば)

連合赤軍の結成から、浅間山荘に立て篭もり、警官隊と銃撃戦を繰り広げるまでを描いた映画である。これが現実にあった事だとは思いたくないほどに単純で馬鹿馬鹿しい狂気の物語である。

始めは、理想に燃えた若者達の集まりであった。M作戦で資金は潤っていたが武器の無い共産主義者同盟赤軍派と、武器はあるが資金力の乏しい京浜安保共闘の利害が一致し、連合赤軍が結成されてから悲劇は始まった。

連合赤軍は、軍事訓練を行うため、山に篭る。その際、安保共闘の人間が水筒を持たずに来た事を赤軍が批難、赤軍の女性が軍事訓練の中、指輪をし化粧をしていることを逆に批難され、そこからいわゆる血の総括が始まるのである。

「総括」とは、赤軍派の人が共用される儀式なのだが、個人の政治的活動を振り返り、自己批判を行い、その結果までを正しく総括できて初めて革命的な社会主義者になれるというのである。馬鹿馬鹿しい話である。自己批判とは個人でやるべきであって、人に強要され、人に発表するようなものではない。

委員長の森恒夫、副委員長の永田洋子の二人による独裁体制なのだが、一人一人の総括が自分の思い通りにならない森は、「拳で殴り、気絶させれば、目覚めたときには正しく総括できる立派な社会主義者になれる」という、あまりにも身勝手な持論を展開する。総括しろ!お前の為だ!と、同士を縛り殴る。そのまま治療もせず放置し、死に至らしめる。女だろうと容赦はしない。だんだんとエスカレートして行き、総括を求めずにスターリン主義者だと罵って仲間を死刑に処する。

どう見ても森こそがスターリン主義者であり、その滑稽な姿がまた腹ダ立たしい。結局は、権力はファシズムへと向かってしまうのだという典型的な例であり、小さい世界での出来事であるゆえに、よりデフォルメ化され映される事で、その狂気の様相は見るに耐えないものになっている。

この映画が見せる革命戦士の姿は、頭でっかちに(狭い範囲での)知識ばかり溜め込み、子供じみた自己満足と経験なき実践が、子供じみた狂気を増大させた結果の物語である。森の行う、総括という名の言い訳を利用し、結果論的に、過去に対して自分なりの意味を構築して正当化してゆく事への無意味さ。そんなのは現実を直視しない自己肯定の甘えである。

その時代を生きた人間が見る映画ではない。その時代を知らない人達が見て、その時代の大いなる闇を感じるべき映画なのだろう。同じ過ちを、人は繰り返してはならないのだから。

ジム・オルークによる楽曲が、また素晴らしい。



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